吉野家HDが最大150店舗の閉店!何故業績が悪化したのか?

吉野家HDが衝撃的なニュースを発表しました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3fb278bccc7d858b84991598d1f7fba0a3742eba

来年の2021年2月期の決算見込みを発表し、売上高は1,723億円と前年比マイナス20.3%、最終的には90億円の赤字となる見込みです。


2020年2月期は約7億円の利益でしたので大幅な赤字転落となってしまいました。


この見込みを発表し、今年度中にグループ全体で最大150店舗ほどの閉店を予定しているとのことです。

過去にもいきなり!ステーキやロイヤルホストなどの閉店発表が話題になりましたが、牛丼チェーン店の王者とも言える吉野家のこの発表は驚きですね。

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では、いったい何故150店舗も閉店してしまうのでしょうか。


今回は吉野家HDの業績について解説し、閉店の理由と今後の対応について見ていきたいと思います。


今回参考にしたのは吉野家HDの第一四半期決算です。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08813/178f8548/82da/4506/926f/8587ac137e59/S100JBAI.pdf

目次

最大の要因はコロナによる売上減少

吉野家HDの2020年3月〜5月の売上高はおよそ396億円で前年比で見ると24.8%減少しています。


この売上では40億円余りの赤字であり、業績悪化は避けられません。


20%以上もの売上減少の大きな要因は、新型コロナウイルスによる売上の悪化です。


飲食店はコロナウイルスによる影響を大きく受けており、店舗休業や時短営業を余儀なくされている状況ですので売上減少は仕方のないことです。


では、具体的にどういった要因で売上が下がっているのか詳しく見ていきましょう。

吉野家以外の外食部門が足を引っ張っている

実は、吉野家単体だけで見ると、前年比からおよそ5%くらいしか減少していないのです。

というのも吉野家などの牛丼チェーン店では、テイクアウトも盛んに行われているため、売上減少を食い止めることができているのです。

ですが、吉野家HDが他に経営している、はなまるうどんや京樽では、テイクアウト商品が充実しておらず、コロナウイルスの影響を大きく受けてしまったのです。


実際はなまるうどんや京樽は商業施設内に店舗を構えていることも多いため4月、5月の売上は前年比50%以上のマイナスとなってしまいました。


業態的にもテイクアウトに力を入れることが難しいため、仕方のないことではありますが業績には大きく響いてしまいました。

テイクアウトの採算性が悪い

吉野家自体はそこまで売上が減少していないと言いましたが、その要因はテイクアウトのしやすさというところにあります。

ですが、吉野家のテイクアウトは、客単価があまり良くない傾向にあります。


何故かというと、店内飲食で利用できる、定食、御膳などのメニューはお持ち帰り販売に対応していないからです。

チェーン店では、単品注文よりも、御膳、定食などのセットメニューの方が単価が高くなります。

単価が高ければそれだけ利益も見込めるので良いことずくめですが、テイクアウトでは牛丼などの単品注文が多くなってしまいます。

つまり、来店客数に差はなくても必然的に売上が減少してしまうという構造になっているのです。


せっかくテイクアウトに強い業態であるのにもったいない気もしますが、牛丼チェーン店の宿命と言わざるを得ませんね。

今後の吉野家HDはどうなる?

HD全体で最大150店舗の閉鎖を予定している吉野家ですが、あくまで不採算店舗を閉店させるための策にすぎません。


閉店と聞くと悪いイメージを持ちますが、むしろ悪化を防ぐための最善の策であると言えます。


コロナに備えて資金調達も230億円ほど実施しているようで、2020年第一四半期決算時点での流動資産は507億円ほどあり、まだまだ余力は残しているといったところでしょう。

自己資本比率も32.2%であり、まずまずといったところです。


今後の策としては、テイクアウトの強化と、冷凍食品用の牛丼販売に注力しているようです。

特に冷凍用の牛丼は前年比154.8%で推移しているようで、内食需要の高さが伺えます。


今後は店舗に頼らない経営にも着手していくようですね。

飲食店の今後の動向にも注目

新型コロナウイルスによって飲食店は大打撃を受けている状況で、今後の運営動向は注目が集まるポイントです。

特に決算発表後は大きく注目されるポイントで、株価などにも大きな動きがあるでしょう。


実際吉野家HDも、決算発表後は大きく暴落しており、7月29日現在の株価は1,850円です。


前日比マイナス8.3%ですので如何に決算発表が重要な局面であるかはわかるでしょう。


とはいえ閉店を悲しむ人が多いのも事実であるため、より多くの方が吉野家に来店するようになるでしょう。

飲食店の復活を願うために一刻も早くコロナが収束することを祈るばかりですね。

吉野家HDの第二四半期決算が公開されました

2020年10月7日に吉野家HDから第二四半期決算についての発表がありました。

当ブログでも決算の解説をしていますのでよろしければこちらもご参照ください。

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