近年、買取専門店というビジネスが増えつつあります。
買取専門店とは、ブランド品や貴金属、金券等を鑑定士が査定し買い取ってくれる店舗のことです。
新たにビジネスを始めようとしている人や、フランチャイズで事業を行いたい人で、買取専門店は儲かるのか興味のある人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、買取専門店はなぜ儲かるのかを解説していきます。
そもそも買取専門店とは?
そもそも買取専門店とは、ブランド品や貴金属などを鑑定士が査定し買取金額を支払う店舗です。
鑑定士が査定するという点が大きなポイントで、高価買取が見込めます。
したがって、ブランド品や貴金属を売りにだすお客さんが多いのが買取専門店の特徴です。
リサイクルショップとの違い
リサイクルショップは、買取専門店よりも査定する商品が豊富で、ブランド品以外や中古の家具家電、衣服なども買取可能です。
ほとんどのものを買い取ってもらえるというメリットはありますが、買取金額が高額にならないというデメリットがあります。
したがって、リサイクルショップには処分目的の品物を売りに出すケースが多いです。
質屋との違い
質屋の最大の特徴は「質預かり」が出来るという点です。
質預かりとは、物を担保として預けてお金を借りる方法となります。
お金を返せたら担保に預けた物が返還され、万が一返済できない際には担保品がそのまま質屋のものとなります。
質屋は、買取だけでなく質預かりの利息収入や質流れ品の売却で稼ぐことがメインです。
買取専門店の仕組み・ビジネスモデル
買取専門店がどのように利益を得ているのかについて、知らないという人も多いでしょう。
買取専門店の利益の仕組み・ビジネスモデルは、以下の通りです。
- 品物を買い取る
- 買い取った商品を再販売する
1.品物を買い取る
買取専門店は、お客さんからブランド品、貴金属などを買い取り、高く売るということが基本です。
つまり、売るものがなければ利益を増やすことはできません。
まずは、買取品を持ち込んで査定するということが必要です。
基本的には一般の消費者が不要となった品物を持ち込んで買い取るケースが多いです。
業者によっては、オークションやフリマサイトから商品を仕入れることもあります。
2.買い取った商品を再販売する
買取専門店は、買取を行っただけでは利益は発生せず、買取金額よりも高い金額で再販売する必要があります。
買取専門店はリサイクルショップなどとは異なり、店頭販売以外にも次のような販売先で売却するケースが多いです。
- オークション
- 専門業者
- 海外 など
上記のように、様々な販売先を駆使してより高い価格で売却することで利益を得ています。
買取専門店はなぜ儲かる?
買取専門店の利益の仕組みやビジネスモデルについて解説しましたが、それだけではなぜ儲かっているかという理由を説明できません。
買取専門店が儲かるのには、以下の4つの理由があります。
- 人件費がかからない
- 店舗面積が不要で家賃などの固定費が抑えられる
- 安く買い取って高く売れる
- 在庫を抱えるリスクがない
人件費がかからない
買取専門店は1人でも運営可能で、人件費を大幅に抑えられるビジネスとなっています。
起業するにあたって、固定費の中でも人件費は大きな出費となりますが、買取専門店は自分1人で完結するのでアルバイト代や給料などの費用がかかりません。
店舗面積が不要で家賃などの固定費が抑えられる
買取専門店は、商品を保管するスペースがあれば運営可能であり、陳列する必要がありません。
したがって、店舗面積が最低限でよく、家賃などの固定費を抑えることができます。
リサイクルショップや質屋の場合、店舗に商品を並べる必要があるため、広い面積の店舗が必要で家賃負担が重いです。
つまり、質屋やリサイクルショップよりも買取専門店の方がコストカットが可能なことがメリットになります。
安く買い取って高く売れる
買取専門店は商品を仕入れて販売するというビジネスモデルの中では格段に利益率が高いです。
通常、コンビニやスーパーなどの小売店では、薄利多売の商売であり、1つの商品を売ってもほとんど利益になりません。
一方で、買取専門店では貴金属やブランド品、お酒などの高価な商品を扱っており、安く買い取って高く売るということができます。
商品の販売利益はおよそ10%~30%であり、買い取ったものを売るだけのビジネスの中では儲かりやすいことがわかるでしょう。
在庫を抱えるリスクが少ない
顧客から品物を買い取るビジネスで考えられるリスクとしては、在庫を抱えてしまうというものが挙げられます。
しかし、買取専門店はリサイクルショップと比べて在庫リスクが少ないといえるでしょう。
なぜなら、買取専門店は、比較的売れやすい貴金属やブランド品などの価値の高い品物を取り扱っているからです。
また、売り先もオークションや専門業者など様々あり、売れ残るリスクを抑えられるというメリットがあります。
買取専門店はなぜ増えた?
買取専門店は最近よく見かけたり、新規出店を目にすることも多いのではないでしょうか。
買取専門店が増えた理由としては、「儲かるから」というものが挙げられますが、そのほかにも以下の理由があります。
- フランチャイズによる大規模な出店が行われている
- コロナ禍でも売上が落ちなかった
- 1人で開業できる
フランチャイズによる大規模な出店が行われている
買取専門店は主にフランチャイズの形式で店舗数を大きく増やしています。
よく、「おたからや」や「買取専門店 大吉」などの店舗を目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
フランチャイズ店舗は、直営店に比べて出店スピードが早いという特徴があります。
直営店を出店するためには、初期投資費用として出店費用などのコストがかかり、一度に大量の出店ができません。
しかし、フランチャイズ店舗であれば、フランチャイズオーナーが出店費用を負担するためたくさん出店することが可能です。
コロナ禍でも売上が落ちなかった
ほとんどのビジネスは新型コロナウイルスの感染拡大によって、経営悪化や売上減少となりました。
しかし、買取専門店では、コロナ渦においても売り上げが落ちず、買取の需要が増えたのです。
新型コロナウイルスのように、経済的な不況が起こった際には、保有する資産を現金化する動きが活発になります。
したがって、持っている貴金属やブランド品などを売って現金を増やそうとする人が多くなるため、買取専門店の需要が増えるということです。
買取専門店はコロナウイルスに限らずあらゆる不況の際にも需要が伸びるため、売り上げが落ちにくいビジネスとして人気を集めています。
1人で開業できる
買取専門店は1人でも開業できるビジネスです。
1人で開業できるということは人件費がかからないというメリットだけでなく、人を雇う手間や教育する手間がかからないというメリットもあります。
自分ひとりで個人事業主のように経営することができるので人を雇わず気楽に事業ができることが人気です。
買取専門店の店舗数・出店数ランキング
買取専門店は儲かりやすいビジネスではありますが、ほとんどの店舗がフランチャイズ形式となります。
では、それぞれのフランチャイズの特徴や店舗数はどのように推移しているのでしょうか。
ここからは、買取専門店の出店数・店舗数ランキングと、特徴について簡単に解説していきます。
1位:おたからや
おたからやは業界トップの店舗数で、新規出店予定も含めておよそ1,300店舗以上です。
※出典:おたからや 公式サイト
買取業を始めて40年以上の実績があり、業界のリーディングカンパニーとして牽引しています。
高いブランド力だけでなく、海外にも独自の販路を持っているという強みがあり、フランチャイズとして開業する際の売り先に困らないということがメリットです。
2位:買取専門店:大吉
業界2位の店舗数は「買取専門店 大吉」で、全国に400店舗以上あります。
※出典:買取専門店 大吉 公式サイト
ブランド品だけでなく、家具家電の買取実績もあり、顧客が集まりやすいことが特徴です。
また、出張査定だけでなく、LINE査定にも対応しており、顧客のニーズをつかみやすいというメリットがあります。
3位:ジュエルカフェ
ジュエルカフェは女性が気軽に来店できるよう女性スタッフ中心に営業している買取専門店です。
出典:ジュエルカフェ公式サイト
店舗数は約250店舗で、業界第3位となります。
女性向けにアットホームなカフェ感覚で来店できるよう、内装や外観にもこだわって作られた店舗が特徴です。
また、大型ショッピングモール内や駅前商店街などのアクセスの良い場所に店舗があり、女性を中心に来客数が多いことがメリットとなります。
買取専門店を始める方法は?
買取専門店のビジネスモデルはコロナ中でも儲かりやすく、興味がある人も多いのではないでしょうか。
実際に買取専門店を開業したい場合、次の2通りの方法があります。
- フランチャイズで開業する
- 独立開業する
フランチャイズで開業する
大手買取専門店の多くはフランチャイズ展開を行っているため、加盟店契約を行うことでビジネスを始めることができます。
例えば、先ほど紹介した「おたからや 」や「買取専門店 大吉」はフランチャイズ店舗が主流です。
フランチャイズ開業のメリットは、ノウハウや広告の手間がかからず、開業のハードルが低いことでしょう。
経営ノウハウやホームページなどの広告戦略はフランチャイズ元が行ってくれるため、店舗の運営に集中できます。
ただし、フランチャイズ経営の場合、本部に加盟料を支払い続ける必要があるため、コストがかかることがデメリットです。
とはいえ、大手企業のブランド力を活用して店舗運営が行えるため、メリットの方が大きいでしょう。
もし、買取専門店のフランチャイズ経営に興味がある場合には、「フランチャイズの窓口」というフランチャイズ比較サービスを利用するのがおすすめです。
フランチャイズの窓口では、フランチャイズ募集情報や副業情報を検索・比較して資料請求を行えます。
また、他では掲載されていないチェーン店が多く掲載されているため、様々な店舗から比較したい人はぜひ資料請求してみましょう。
もちろん、資料請求や登録に費用はかかりません。
独立して開業する
自分で独立して買取専門店を立ち上げるという方法もあります。
独立開業のメリットは、フランチャイズ加盟料などのコストがかからない点です。
コストを抑えることで利益を増やしたり買取価格を上乗せして顧客増加が見込める可能性があります。
ただし、独立開業の場合、ネームバリューがないことがデメリットです。
「おたからや 」や「買取専門店 大吉」などのフランチャイズ店舗は全国にあり、名前に安心感があります。
自分で開業した店舗の場合は認知度が0のため、お客さん側からしたら不安に感じてしまうでしょう。
また、経営ノウハウを1から自分で作る必要があるため、業界経験なども必須です。
買取専門店を始める際のリスク
買取専門店を始める場合、以下の2つのリスクに注意が必要です。
- フリマアプリと競合してしまう
- 在庫リスク
フリマアプリと競合してしまう
買取専門店と強いライバルとなるのが「フリマアプリ」です。
メルカリやラクマなどのフリマアプリでは売却したい商品は自分で価格設定できるというメリットがあります。
また、仲介コストが抑えられることもあり、買取専門店で売却するよりも高く売れる可能性が高いです。
つまり、自分で発送する作業ややり取りの手間が面倒でなければ、フリマアプリに軍配が上がります。
一方で、買取専門店では「確実に」「素早く」売却できることがメリットです。
上記のニーズを満たす顧客を獲得できるよう広告戦略を行うことが望ましいでしょう。
在庫リスク
買取専門店には在庫リスクがあります。
在庫リスクとは、仕入れた商品が売れ残ってしまうリスクのことです。
リサイクルショップと比べると在庫リスクは少ないですが、顧客から買い取った商品が売れなければ買取金額の分だけ損失となってしまいます。
ただし、フランチャイズ店舗の場合、顧客から買い取った商品を売却する販売先が確保されているケースが多いです。
在庫リスクを防ぐためにもフランチャイズ店舗で経営を行うのが堅実でしょう。
まとめ
今回は、買取専門店が儲かる理由、仕組みについて解説しました。
- 買取専門店は人件費、家賃等のコストが抑えられるため、儲かりやすい
- コロナ渦で需要が増えたため、売り上げが落ちなかった
- 1人で開業できるため、始めやすいのも人気の理由
- 買取専門店を開業するならフランチャイズによる経営が始めやすくおすすめ
買取専門店は利益率が高く、1人で始めやすい業種のため人気の高いビジネスです。
「おたからや 」「買取専門店 大吉」などの有名店舗はフランチャイズ経営を中心に行っているため、興味のある方は一度資料請求してみましょう。
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