牛丼チェーン店で一番儲かっているのはどこ?売上、シェア率、店舗数など徹底比較

外食、テイクアウト問わず手軽に食べれるものとして挙げられる牛丼、美味しいですよね。

牛丼チェーン店を利用したことがある方はかなり多いと思います。

有名どころとしては、吉野家、すき家、松屋、なか卯あたりでしょう。

それぞれ特徴は異なりますが、一番儲かっているのはどこなのか、売上やシェア率が良いのはどこなのか、気になる所でしょう。

そこで今回は、大手牛丼チェーン店4社について、財務面を中心に比較してみました。

目次

一番儲かっている牛丼チェーン店ってどこなの?

牛丼チェーン店の中で、一番儲かっている会社というのはどこなのでしょうか。

一番利益が出ているのは、すき家、なか卯を運営しているゼンショーホールディングスです。

単純にすき家が牛丼チェーン店ではトップのシェア率を誇っているということや、牛丼以外にも多数の外食チェーン事業に参入しているという観点から、事業規模が大きく利益も高いというのが理由ですね。

大手牛丼チェーン店について

吉野家

吉野家は1899年に創業された日本で最も古い牛丼チェーン店です。

株式会社吉野家が運営しておりますが、株式会社吉野家ホールディングスの傘下です。

吉野家HDでは、吉野家の他にもはなまるうどんや京樽といった外食チェーン店が傘下となっています。

牛丼チェーン店の中でも、価格は少し高めに設定されていますが、その分高品質の牛丼を提供していることが特徴です。

また、メニュー数はあまり多くはありませんが、冬の鍋御膳など豪華な料理もあり、他の牛丼チェーン店よりは品質の高さで差をつけています。

すき家

牛丼チェーン店でトップのシェア率を誇っているのが、すき家です。

大手外食チェーン店を多数運営しているゼンショーホールディングスの傘下となっています。

「牛丼」と「カレー」の2商品を主力商品としています。

すき家の特徴は、商品バリエーションが豊富なことや、ファミリー向けに店舗展開しているということでしょう。

従来の牛丼屋では、ビジネスマンや、若者向けに短時間で安く食事がしたい方向けでしたが、すき家ではファミリー層のお客さん向けにすることで差別化を図りました。

その差別化によって業績を順調に拡大させていき、今ではトップのシェア率になったというわけですね。

松屋

大手牛丼チェーン店の中で3番目のシェア率を誇っているのが松屋です。

松屋フーズホールディング傘下にある、松屋フーズ株式会社が運営しております。

松屋の大きな特徴としては、「牛めし」の価格の安さと、味噌汁がサービスでついてくるというお得感でしょう。

関東圏の店舗では販売されていませんが、「牛めし」の並盛り価格はなんと320円で業界最安値です。

その上味噌汁がサービスでついてくるということで一定のファンを獲得しているのです。

なか卯

なか卯は他の牛丼チェーン店とは少し違います。

丼物やうどんなどの和食を中心に取り扱っている外食チェーン店です。

ゼンショーホールディングスの傘下であるため、すき家と同系列のグループになります。

なか卯の牛丼の特徴は、和風の出汁を使用しており、甘めの味付けとなっているということです。

すき焼きに似た味を感じる人も多く、卵との相性がバッチリです。

そのため、普段とは違うテイストで牛丼を食べたい人などに親しまれています。

項目ごとの比較

牛丼の価格

まずは牛丼の価格です。

すき家 350円
吉野家 380円
松屋 380円
なか卯 380円

すき家だけが少し安く、350円となっています。

他は380円で均一になっていますね。

ちなみに松屋は関東圏の地域ではプレミアム牛めし(380円)、それ以外の地域では通常の牛めし(320円)が販売されています。

ですので、関東以外の地域では松屋が最安値の牛丼、ということになります。

店舗数

次に、店舗数の比較をしてみましょう。

各チェーン店の国内にある店舗数は以下の通りです。

すき家(9月時点) 1,943
吉野家(9月時点) 1,209
松屋(9月時点) 964
なか卯(3月時点) 464

1位はすき家です。圧倒的な店舗のシェア率を誇っています。

次いで吉野家、松屋、なか卯と続きます。

売上高、利益

売上と利益についてです。

売上高と利益の数字についてですが、会社ごとの通期決算短信を元に抜粋しています。

しかし、吉野家以外については、お店毎の売上高と利益を公開しておらず、グループ全体としての売上高や利益の公開のみとなっています。

また、すき家となか卯はゼンショーホールディングスのグループとなっているため、2つ合わさった決算内容となっています。

その点を踏まえながら、グループとしての決算がどうなっているのかについて見ていきましょう。

・各グループ会社の通期決算(単位は百万円)

  売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
ゼンショーHD(2020/3期) 630,435 20,918 19,903 11,978
吉野家HD(2020/2期) 216,201 3,926 3,369 713
松屋フーズHD(2020/3期) 106,511 5,079 5,438 2,604

売上高トップはゼンショーホールディングスです。外食産業を幅広く手がけているので当然でしょう。

利益もゼンショーホールディングスは約120億円で、他社よりも経営成績が圧倒的に良いです。

一方吉野家HDと松屋フーズHDは売上高の観点では吉野家が2倍近く差をつけていますが、当期純利益の面で優っているのは松屋です。

吉野家は近年業績不振で赤字が続いており、2020年2月期にようやく黒字に転換したという状況だったのです。

以上より、一番儲かっている会社はゼンショーホールディングス、2番目に儲かっているのは松屋フーズホールディングス、そして吉野家ホールディングスが3番手という構図になっています。

財務状況の分析

続いて、資産などの財務状況について確認してみましょう。

各グループの貸借対照表です。(百万円単位)

  総資産 純資産 自己資本比率
ゼンショーHD(2020/3期) 365,853 86,793 23.7%
吉野家HD(2020/2期) 126,167 48,385 37.9%
松屋フーズHD(2020/3期) 73,173 42,953 58.7%

概ねグループの規模通りの財務内容となっています。

特筆すべきは自己資本比率でしょうか。

松屋フーズHDが58.7%とトップの自己資本比率です。

飲食業界の中でも50%超えの会社は少ないのでかなり安全性が高いと言えるでしょう。

ゼンショーホールディングスは自己資本比率が23.7%と、3社の中では一番低いです。

これは、新規出店などを積極的に行なっている関係で設備投資が多いというのが影響していることが大きな理由でしょう。

最近では、はま寿司やジョリーパスタの新規出店に力を入れているようで、店舗数を拡大させています。

コロナ下での状況は?

今期決算はコロナウイルスの影響を受けそうですが、3社の状況はどうなのでしょうか?

2020年10月時点では、ゼンショー、松屋は第一四半期、吉野家は第二四半期まで決算が公開されています。

どの会社も現状では赤字となっており、今期の決算見込みも大幅赤字が予想されています。

吉野家HDでは今期決算中に不採算店舗を150店舗ほど閉店させるということで話題にもなりました。

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赤字幅が一番大きいのは吉野家HDであり、今後も厳しい状況が続きます。

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とはいえ牛丼チェーン店はテイクアウト産業に強いというのもあるので今後の売上回復も十分に見込めます。

コロナウイルス下での決算の動向については今後も注目していきたい所ですね。


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