新型コロナウイルス関連倒産事例をまとめています。
4月分のその4になります。
前回はこちら
新型コロナウイルス関連で倒産した企業まとめ
株式会社東鮓(飲食店)
奈良県初となる新型コロナウイルス関連倒産事例です。
1962年3月に創業。元々は持ち帰りのお寿司を提供していました。
その後、出前店や飲食店などを出店して事業を拡大。
近年では奈良市周辺に「あづまケータリングサービス」や「割烹東吉」などの店舗を運営しました。
ピーク時である1990年3月期には売上高26億1041万円を計上していましたがその後は上手く起動に乗ることができませんでした。
分社化や金融債務の免除、寿司店の撤退などもしましたが減収に歯止めが効かず2019年3月期の売上高は約12億円にまで減少してしまいました。
その後も業績が停滞していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で売上が更に減少し、破産に至りました。
負債総額は約4億9500万円です。
株式会社ホウショウEG(製造業)
2004年愛知県にて設立。
汚水処理装置や液状化対策工事機械の製造販売を行なっていました。
2018年6月期は官公庁からの受注案件もあり約1億2800万円の売上高を計上していました。
しかし、2019年6月期は官公庁からの受注がなくなったことで業績は一気に低迷。
財務状況が不安定な中、新型コロナウイルスの感染拡大により売上高は悪化し事業継続の見通しが立たなくなってしまいました。
負債総額は約1億円です。
有限会社ティーツー(広告)
2000年設立の広告デザイン業者です。
化粧品や電化製品などのチラシやPOP、パッケージやノベルティのデザインなどを手がけていました。
2011年1月期には売上高役1億円を計上していましたが、その後は他社との競合により受注が伸びず、直近の売上高は約7600万円にまで落ちていました。
厳しい状況が続く中、新型コロナウイルスの感染拡大により広告の需要が激減し、売上が立たず破産申請予定となりました。
株式会社ラビアンローゼ(貸衣装)
1981年に静岡県で設立の貸衣装会社。
婚礼や成人式、七五三などの貸衣装を提供した店舗を展開し、東京や名古屋、ハワイなどにも店舗を構えていました。
過去の借入の負担が重く、資金繰りが厳しい状況が続いており、少子化などによる結婚式、成人式での衣装需要の低下、結婚式の簡素化により業績は悪化してしまいました。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大によりイベントキャンセルが相次いだ関係で貸衣装の予約もキャンセルとなり、資金繰りが限界に達してしまいました。
負債総額は約9億円です。
なお、関連会社でブライダル事業を営んでいる株式会社ウィンクルも同様の理由により破産申請となっています。
株式会社uva d’oro(飲食業)
2016年2月に東京都で設立。
両国でイタリア料理店「こるく」などを経営していました。
設立当初から業績は低迷しており、資金繰りが厳しい状況が続いていましたが、「新型コロナウイルス」の感染拡大により店舗を閉鎖し破産申請開始決定となりました。
負債総額は約1000万円です。
株式会社ジャパン・コルディアル・ホームズ(建設業)
1988年に北海道で設立。
当初は輸入製材と建築部材の製造販売を行なっていましたが1993年に取引先の建築部門を継承しハウスメーカー部門へと業態変化しました。
その後は順調に推移し1995年5月期にはピークとなる8億5056万円の売上高となりました。
しかし、景気後退や人口減少などにより受注が徐々に落ち込んでしまい、2012年以降の売上高はピーク時の半分以下となってしまいました。
また、2019年5月期には1億7215万円の赤字を計上。厳しい状況が続いている中、「新型コロナウイルス」の感染拡大により春先の受注が見込めなくなってしまい、事業継続断念に至りました。
負債総額は約3億863万円です。
キャスキッドソンジャパン株式会社(雑貨小売)
知っている人も多いでしょうが、イギリスの服飾雑貨店を日本で運営している会社です。
全国の商業施設などに約40店舗ほど展開していました。
幅広い年代の女性から支持を得ていましたが、新型コロナウイルスの影響によりイギリスの本社の事業継続が困難となりました。
日本でも商業施設などの外出自粛に伴い、来店者数は減少し、経営が急速に悪化してしまい破産申請となりました。
負債総額は約65億円です。
株式会社米匠(精米販売)
1993年長野県にて設立。
精米の販売業者として、食品スーパー、百貨店、ドラッグストアだけでなく、飲食店や宿泊施設にも販路を築いたほか、小売店を2店舗構えていました。
全国各地から最も美味しいお米を作る農家を調べ、「産地限定米」と呼ばれるこだわりのお米の販売を主流とし、2004年6月期の売上高は約7億5000万円ほどでした。
しかし、近年では、販売先宿泊施設の業績低迷や量販店との競合化により売上が徐々に減少。2019年6月期の売上高は約5億9800万円まで減少してしまいました。
さらに、2019年10月に発生した台風19号や、新型コロナウイルスの感染拡大により販売数が急激に落ち込み、資金繰りが限界に達してしまいました。
大東観光交通株式会社(送迎バス運行)
1948年神奈川県にて設立。
送迎バスの運行を主体的に事業展開しており、ピーク時には22台ものバスを保有し、4億円ほどの売上高を記録していました。
2000年代に入り同業者との競合激化や旅行の単価が下落したこともあり、売上は下降を辿り、保有車両数も12台にまで減少。2019年3月期には売上高が1億2500万円まで減少してしまいました。
業績不振が続き、負債額も多額であった中、2020年3月に代表取締役が死去したことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大により受注案件のキャンセルも続いたため、事業継続を断念しました。
負債額は約2億円です。
株式会社アライバル(キャバクラ運営)
2015年に宮城県にて設立しました。
業界で経験を積んだ代表者が、クラブ「アバンティ」と、ラウンジ「グロワール」の2店舗を運営していました。
創業当初から同業者との競合が厳しく、業績は伸び悩んでいました。
2020年に入り新型コロナウイルスの感染拡大により、自粛ムードが続いている中、来店客数が大幅に減少し今後の見通しが立たなくなったため、破産申請となりました。
カネキ水産(食品加工)
1980年に創業。
当初はシラスの加工業を手がけていましたが、養鰻行が盛んでうなぎの骨が入手しやすい環境を活かして「うなぎボーン」の製造に業態転換しました。
土産物として親しまれ、SAや駅の売店などで販売されていました。
売上は夏場に集中するという特性があり、繁閑の差が激しく資金繰りも厳しい状況でしたが、近年では衛生面から設備のステンレス化が必要となっていたり資金負担が逼迫していました。
2019年にはリスケ支援などを受けていましたが、それでも事業継続が厳しく法的手続きを視野に入れた再生計画を検討しているところでした。
そんな中で、新型コロナウイルスの感染拡大により受注が一気に落ち込み、民事再生開始決定となりました。
負債総額は約6500万円です。
株式会社ファーストキャビン、関連会社4社(ホテル経営)
コンパクトホテル「ファーストキャビン」を運営していました。
4000円から利用できる格安ホテルであり、運営受託やフランチャイズなどを中心に事業展開していきました。
積極的な事業展開が好調で直近決算期では25軒のホテル展開をし、売上高は16億8645万円を計上しました。
しかし、競合激化などから計画通りの業績は達成せず、2期連続の赤字を余儀なくされました。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、稼働率は約10%にまで落ち込み業況が急激に悪化。事業継続は困難と判断し、破産に至りました。
なお、関連会社4社も同様に倒産となっています。
FC展開していたホテルについては継続して営業を続けるとのことです。
株式会社アセント・コーポレーション(アパレル)
2011年に大阪で設立。
「mila schon」や「H・L」などの婦人向けブランドを百貨店などに展開していました。
2019年の増税、暖冬により業績不振に陥っている状況で、新型コロナウイルスの影響による外出自粛が追い打ちとなり、資金繰りは厳しくなっておりました。
こうした中で、セーフティーネット融資の利用を検討しましたが、事業継続の見通しは立たないため破産手続開始に至りました。
人吉観光交通株式会社(宿泊・ブライダル)
1955年設立。
元々はタクシー業を目的に人吉観光タクシー株式会社として設立し、1982年に今の商号となりました。
さらに1997年には関連会社である株式会社平安閣を吸収合併し、結婚式場・ビジネスホテルの「アンジェリーク平安」を併営しています。
ピーク時である2000年3月期の売上高は約10億500万円でした。
しかし、2007年4月にレストラン部門、2008年9月にタクシー部門を分社化。
ホテル部門も同業他社との競合により売上が低下している状況が続いていました。
また、設備投資による借入負担が重く、資金繰りが賄えていない状況でした。
資産の売却や金融機関のリスケなどを受けて立て直しを図っていましたが「新型コロナウイルス」の感染拡大により結婚式、宿泊予約のキャンセルが相次ぎ事業継続は困難となってしまいました。
負債総額は約7億円です。
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