先日、トヨタに関する面白い記事を見つけました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58975520S0A510C2I00000/
2021年3月期の営業利益は8割減との予想を発表しました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続く中で、販売台数などの落ち込みを予測しての発表ではありましたが、日本を代表する企業がここまで影響を受けてしまうのは衝撃的でした。
自動車の販売台数が落ち込んでいる中で、日本を代表する他の自動車メーカーについても期になるところです。
今回は、2020年3月期に決算を迎えたトヨタ、ホンダ、マツダの3社の決算を比較して、今後どうなるのかという予想を立ててみたいと思います。
トヨタ、ホンダ、マツダの決算について
それでは最初に、3社の個別の決算について確認してみましょう。
決算内容については、それぞれの会社のホームページから引用しています。
https://global.toyota/jp/ir/financial-results/
https://www.honda.co.jp/investors/library/financialresult.html
https://www.mazda.com/ja/investors/library/result/
トヨタの2020年3月期決算
それでは、トヨタの決算について見ていきましょう。(単位は百万円)
2020/3 | 2019/3 | |
売上高 | 29,929,992 | 30,225,681 |
営業利益 | 2,442,869 | 2,467,545 |
税引前当期純利益 | 2,554,607 | 2,285,465 |
当期純利益 | 2,076,183 | 1,882,873 |
貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響もあった中、売上高は1%の減少に留まりました。
地域別の自動車売上状況で見ると、欧州は増収となっており、着実に世界へ向けて販売しています。
また、自動車販売事業では減収でしたが、車のローンやクレジット等を扱う金融事業では増収となっています。
とはいえ、最終利益は2兆円ほどであり、素晴らしい経営成績を残せているのは明白ですね。
ホンダの2020年3月期決算
続いて、ホンダの決算について見ていきましょう。(単位は百万円)
2020/3 | 2019/3 | |
売上高 | 14,931,009 | 15,888,617 |
営業利益 | 633,637 | 726,370 |
税引前当期純利益 | 789,918 | 979,375 |
当期純利益 | 509,932 | 676,286 |
売上高は前年比マイナス6.0%、営業利益も前年比マイナス12.8%となりました。
減収の主な要因は、四輪自動車の販売台数が10%減少していることと、為替換算の影響が挙げられます。
また、コストダウンや経費削減などは努めましたが、四輪部門の販売難や為替影響により減益となってしまいました。
マツダの2020年3月期決算
最後に、マツダの決算内容について見ていきましょう。(単位は百万円)
2020/3 | 2019/3 | |
売上高 | 3,430,285 | 3,564,172 |
営業利益 | 43,603 | 82,307 |
税引前当期純利益 | 49,282 | 107,567 |
当期純利益 | 12,131 | 63,155 |
売上高は3%程度のマイナスに落ち着きましたが、営業利益や税引前当期純利益は半分近く減少しています。
減収要因は、自動車販売台数が9.1%減少したことが大きな原因となったようです。
営業利益の減少については、為替影響による利益率悪化が要因となっています。
販売コストなどは改善されているようです。
地域別の収益実績では、日本単体で見ると253億円の営業損失となっている点も気になるポイントですね。
3社の決算比較
では、自動車メーカー3社の決算を並べて比較して見ましょう。
トヨタ | ホンダ | マツダ | |
売上高 | 29,929,992 | 14,931,009 | 3,430,285 |
営業利益 | 2,442,869 | 633,637 | 43,603 |
当期純利益 | 2,076,183 | 509,932 | 12,131 |
トヨタの一人勝ちといったところです。
特にトヨタは、利益率の良さが段違いとなっています。
売上高から順番に比較してみましょう
売上高はトヨタが29兆円、ホンダが14兆円、マツダが3兆円となっています。
売上高においてもトヨタは圧倒的水準を誇っています。
営業利益はトヨタが2.4兆円、ホンダが6336億円、マツダが436億円となっています。
先ほどの売上高のグラフと比較しても、トヨタと他2社の開きが大きいことから、トヨタの営業利益率は高いと見て良いでしょう。
最後に、当期純利益についても見てみましょう。
トヨタとホンダの差は先ほどの営業利益のグラフと同じくらいに感じますが、マツダの当期純利益が相対的に落ちているということがわかりますね。
今後の業績はどうなる?
では、新型コロナウイルスの影響が本格化している2021年3月期の業績はどうなるのでしょうか。
これに関して言えば、まだまだ不透明な部分が大きい、ということが言えるでしょう。
実際、トヨタは冒頭でも述べたとおり、業績の見込みを発表していますが、他の企業は業績予想を公開していません。
新型コロナウイルスがどのタイミングで落ち着くか、によって大きく変わっているということが言えます。
間違い無く言えるのは、大幅な減収減益は免れない、ということです。
新型コロナウイルスがある程度収束したからといって、経済活動がすぐに元どおりになるとは考えにくく、前年通りの売上を叩き出すのは不可能に近いです。
そんな中、トヨタが発表した2021年3月期の業績予測は、売上高24兆円(前期比19.8%マイナス)、営業利益5,000億円(同79.5%マイナス)という内容でした。
トヨタでこれなら他の企業の損失は免れないでしょう。
これぐらいの減収減益で済むのか?という疑問もあります。
年内にコロナウイルスが収束しなければ、赤字転落は間違いなく、トヨタとしてはリーマンショック以来の赤字ということになるでしょう。
参考:新型コロナウイルス関連記事
当ブログでは新型コロナウイルス関連の決算分析や倒産情報などを記事にしています。
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