業務スーパーとコストコの戦略の違いを解説

激安スーパーとして有名なのは、コストコや業務スーパーが挙げられます。

私も業務スーパーはよく利用しますが、お得な商品がたくさんあってついつい買ってしまいます。

この2社は同じような戦略を取っており、経営上の共通点も多いです。

一番重点を置いているポイントは、「安く売るために、他の経費を抑える」という点です。

そこで今回は、業務スーパーとコストコの経営戦略状の共通点と違う点について比較してみました。

以前に単体でのビジネスモデルについて解説した記事を投稿していますのでそちらもどうぞ

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目次

業務スーパーとコストコの共通点

業務スーパーとコストコには、戦略上の共通点がたくさんあります。

業務スーパーとコストコの共通点

・商品の陳列方法

・プライベートブランドの充実

・商品の種類を極限まで抑える

・広告を出さない

商品の陳列方法

業務スーパーもコストコも、商品の陳列方法にこだわりがあります。

商品が段ボールからむき出しのまま陳列されているのです。

段ボールのままだと、移し替えなくて良いので店員さんからしたら楽です。

楽というだけでなく、陳列に時間がかからないので、余計な人手がかかりません。

業務スーパーもコストコも激安スーパーなので、他の部分でコストカットしなければいけません。

そのため人件費を抑えるための工夫がたくさん施されているのです。

プライベートブランド充実させている

業務スーパーもコストコにも、自社ブランドである「プライベートブランド(PB)」があります。

プライベートブランドは普通のメーカー品と比べても価格が安いです。

PB商品というのは、自社で製造しているので安く提供できるのです。

普通の商品なら、製造業者が製造→問屋が卸売→スーパーで販売となります。

一般のスーパーが販売するまでに間に2社はさんでいるため余計な付加価値がついてしまいます。

プライベートブランドなら余計な業者を挟むことがないのでコストも抑えられるというわけですね。

今では多くのスーパーがプライベートブランドに手を出していますが、価格を安くできるということがメリットなのでみんな真似しているというわけです。

商品種類を極限まで抑えて大量発注

コストコも業務スーパーも、他のスーパーと比べて商品の種類が少ないのが特徴です。

商品が少ないと、1つの商品に対して大量に仕入れることになります。

大量に仕入れるメリットは、仕入れ価格を抑えられるということです。

そのため極限まで商品の種類を抑えて1種類あたりの仕入れを大量にし、仕入をできる限り抑えています。

仕入価格が安いから商品の価格も安くなるというわけです。

広告を出さない

業務スーパーもコストコもCMやチラシなどの広告がありません。

広告がないということは広告費がかからないということになります。

しかし、スーパーは特売情報などをチラシやテレビCMによって広告することで集客できるので広告を出さないというのはデメリットもあります。

業務スーパーもコストコも特売はしません。しかし、常に安い価格で提供しています。

毎日が特売状態みたいなものですね。CMなどを出さない分、広告費にかけるお金を使わずに販売価格を抑えているのです。

また、業務スーパーやコストコは企業が自ら広告はしていませんが、テレビでの特集やSNSでの拡散などにより広告と同じような効果が出ています。

お客さんやメディアに広告してもらっているような状態なので自然と集客できているのです。それもこれもお得な商品がたくさんあるからできていることなのです。

コストコと業務スーパーの戦略の違い

いよいよ本題である、業務スーパーとコストコの戦略の違いです。

業務スーパーとコストコの戦略の違い

・コストコの「会員制度」ビジネス

・業務スーパーのフランチャイズ戦略

・業務スーパーの商品戦略

・店舗面積の違い

コストコの「会員制度」ビジネス

コストコには小売業界で唯一と言っていいほど特徴的な戦略があります。

それは、「会員制度」と呼ばれるものです。

コストコでは、年会費を払わなければ入店することができません。

コストコの利益の大部分を占めているのが、この年会費収入です。

どれだけ商品を売ったかではなく、どれだけ会員を増やせたかによって利益が変動するのがコストコの収益構造です。

逆に、会員数で利益が変動するため、予想もしやすいです。

コストコでは商品を売っても儲けを増やすことはできません。せいぜい経費分がまかなえる程度です。

そのためコストコでは、どれだけ会員数を増やせるかに重点を置いて経営しています。

業務スーパーのフランチャイズ戦略

業務スーパーは、スーパーでは珍しくフランチャイズ制度を導入しています。

フランチャイズ経営にすることで店舗の経費は全てオーナー負担になります。

業務スーパー側はフランチャイズ料金をもらうのと自社ブランド商品の仕入分を売った分が売上になります。

フランチャイズにすることで利益率が高くなりやすいのと出店コストをオーナーに負担してもらえるので拡大しやすいというメリットがあるのです。

スーパーは薄利多売の業種なのでフランチャイズだとしても加盟店の人気はないですが、業務スーパーはたくさん売れるので儲かりやすくオーナーからの人気も高いというわけですね。

業務スーパーの商品戦略

業務スーパーは他のスーパーとは置いている商品の傾向が少し違います。

まず、生鮮食品が圧倒的に少ないです。

一部の店舗では、生野菜や肉などの生鮮食品が置いていない店舗もあるくらいです。

生鮮食品は、売れなかったら廃棄になってしまいます。無駄なロスを減らすために生鮮食品自体を少なくしているのですね。

生鮮食品が少ない分、冷凍食品が多いです。

売り場の4割程度は冷凍食品が並んでいます。

自社工場で製造した食品がたくさん並んでおり、野菜なども置かれているため、生鮮食品がなくても困らないというわけです。

業務スーパーといえば、コスパの良い冷凍食品が魅力となっています。こうした商品自体の戦略によって人気を維持し続けているのですね。

店舗面積の違い

同じ格安スーパーであるコストコと業務スーパーですが、店舗面積に大きな違いがあります。

コストコは倉庫型というように店舗が広いです。

一方業務スーパーは一般のスーパーと比べても店舗が狭くなっています。

コストコの場合は広さをメリットにしています。広いことで色々な商品が陳列されているのでワクワクします。

一方業務スーパーは店舗面積を狭くすることで家賃などを抑えています。

コストコは売上アップのために店舗を広くしているのに対し業務スーパーは費用を抑えるために狭くしているというわけです。

どちらが優れているというわけではありません。どちらも経営的な戦略です。

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