日本の洋菓子の市場規模はどんどん縮小している中、成長を続けている企業があります。
山梨県発祥のシャトレーゼです。
低価格な洋菓子が魅力のお店で現在は多くの都道府県に出店しています。
60円のアイスが売られていたりととにかく魅力的な商品がたくさんあって人気のようです。
そんなに安い商品ばかりだと儲からないのでは?と思ってしまいますね。
しかし、ちゃんと儲かるような仕組みにはなっているのです。
今回はシャトレーゼの安さの秘密について解説します。
シャトレーゼが儲かっている理由
シャトレーゼが安くても儲かる理由とは、
安いのに質は高いのでたくさん売れているからです。
シャトレーゼでは、材料費以外のコストを削減することによって商品の価格を下げることに成功しています。
それによって魅力的な商品がたくさん置かれているので、たくさん買っていくのです。
実際、シャトレーゼで60円のアイスを1本だけ買う、という人はなかなかいないです。
いろんな種類のお菓子をまとめて買うので客単価も高く、しっかりと儲かるという仕組みになっているのです。
シャトレーゼの戦略
それでは、具体的なシャトレーゼの経営戦略について解説します。
特徴的なものとしては、主に4つあります。
シャトレーゼの戦略
・製造から販売まで自社で行っている
・素材にとことんこだわる
・フランチャイズ中心の店舗展開
・郊外店舗を中心に展開
製造、物流、販売まで自社で
シャトレーゼの最大の特徴は、自社工場で製造し、自社で店舗に配送しているということです。
製造→物流→販売まで自社で行なっています。
このメリットは、余計なコストがかからないということです。
普通だったら、お菓子の製造メーカーに依頼→運送業者に配送してもらう→店舗で販売という流れになるので、配送料とメーカーに支払わなければいけません。
そのような中間マージンが取られない分、安く提供できます。
つまり、他のお店より安く提供できるけど、質はより良いものを提供できるのです。
このように製造から販売まで自社で行う企業を、製造小売業(SPA)と言います。
日本ではユニクロや無印良品、ニトリなどが有名ですね。
素材にこだわった商品開発
シャトレーゼでは、商品の材料にもこだわっています。
他のメーカーも素材にはこだわっていると思いますが、シャトレーゼはそれ以上のこだわりがあると言えます。
中でも特徴的なのは、水にまでこだわっているという点です。
シャトレーゼでは、地元山梨県の白州の水を使用しています。
日本名水百選にも選ばれたお水で、クセがなく、お菓子作りに最適なんだそうです。
水にこだわるということだけでも、他の企業との差別化になっており、美味しいお菓子を作れています。
店舗はフランチャイズ中心
シャトレーゼの店舗のほとんどはフランチャイズ店舗です。
フランチャイズのメリットは様々ありますが、利益率が取れやすいのと店舗展開しやすいというのがあります。
店舗を運営するときに、人件費や家賃などの固定費が痛手となりますが、フランチャイズ店舗ではオーナーが負担するので、余計な費用がかかりません。
そのため利益率は高くなります。
また、店舗の採算性が悪くても企業に影響を及ぼさないということでリスクは少ないと言えます。
しかしながらあまりにも採算性が悪いと誰もフランチャイズ契約をしないので儲かるようなビジネスモデルを確立させなければ結果的に収益が取れなくなってしまいます。
とはいえフランチャイズにすることで、安定的な収入を得られるのは間違い無いです。
また、フランチャイズの出店費用を自社で負担しないので、出店しやすいというのがメリットです。
直営店舗だと自分で店舗を出店させなければいけないので、数千万円の初期費用がかかり、急な店舗展開がしにくいです。
郊外店舗を中心に展開
シャトレーゼの小売店は都心部ではなく、郊外地域を中心に展開されています。
低価格帯の洋菓子を提供しているので、郊外店舗のほうが顧客層にマッチしています。
また、郊外は都心部よりも土地の価格や家賃面でも安いです。
最近では飲食店でも郊外中心に展開して勢力を伸ばしている企業が多くなりましたね。最近急成長している焼肉きんぐも郊外にたくさん店舗を増やして業績を伸ばし続けていました。
都心部は人が集まりやすい分競合も多くリスクは大きいので、地方の郊外で店舗を構えるのは合理的な戦略であると言えます。
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